後見人制度には、認知症患者を支えるための重要な制度である一方で、いくつかの問題点も指摘されています。以下に、後見人制度の主要な問題点を説明します。
1. 本人の意思の尊重が難しい
後見人が選ばれると、本人の財産管理や契約行為などが制限され、後見人が代わりに意思決定を行います。これにより、本人の意思や希望が十分に反映されにくいという懸念があります。特に、判断能力が部分的に残っている場合には、本人が自分の生活に関する決定を行いたいという欲求が無視される可能性があります。
2. 後見人の適切な選任が困難
後見人として選ばれる人には、家族、親族、専門家(弁護士、司法書士など)がありますが、適切な後見人を選ぶことが難しい場合があります。家族が後見人となった場合でも、必ずしも適切なサポートが提供されるとは限りません。また、親族間で意見の対立が起こることもあります。
3. 後見人の職務の負担
後見人は、本人の財産管理や医療、介護に関する意思決定を行う責任があり、その職務は非常に負担が重いとされています。特に、専門知識を必要とする財産管理や法的手続きが絡むと、後見人の負担が増加します。また、報告義務などの書類作成も煩雑で、家族後見人の場合は負担が大きくなることが多いです。
4. 後見制度のコスト
後見人制度には、家庭裁判所への申立て手続きや後見人の報酬が必要であり、特に専門職が後見人になる場合は費用が高額になることがあります。これにより、経済的負担が大きく、本人や家族にとって利用しにくい場合があります。
5. 悪用のリスク
後見人が不正行為を行うリスクもあります。過去には、後見人による財産の不正使用や管理不行き届きの事例も報告されています。後見人が本人の利益を守るべき立場であるにもかかわらず、本人の財産を搾取したり、適切な管理を怠るケースが問題視されています。
6. 監督体制の不備
後見人の行動を監督する制度はあるものの、監督が十分に行き届いていないことがあります。家庭裁判所が後見人を監督する役割を持っていますが、監督体制が弱く、後見人の不正や不適切な行動を見逃してしまうことがあります。
7. 本人の社会的孤立
後見人制度を利用することで、本人が社会的に孤立するリスクも指摘されています。本人の意思決定が制限されるため、友人や地域との関係が希薄になり、本人の孤立感が増すことがあります。
これらの問題点に対処するためには、後見人制度の改善や、本人の意思を尊重した支援体制の強化、監督体制の整備が求められています。





