認知症患者が障害者年金を受け取るための条件や手続きについては、日本の年金制度に基づいて詳しく定められています。障害者年金は、病気や障害によって働くことが困難になった場合に支給されるもので、認知症もその対象となり得ます。以下に、具体的な条件や手続きを説明します。
1. 障害年金の概要
障害年金は、国民年金と厚生年金の被保険者が、病気やけがで障害が残った場合に受け取れる年金です。認知症は、進行すると日常生活に著しい影響を及ぼし、働くことが難しくなるため、重度の場合には障害年金の対象となります。
国民年金の障害年金
- 障害基礎年金:20歳から60歳までの間に一定の保険料納付要件を満たしている人が対象です。
- 認知症の場合、診断書の提出や日常生活の制約度合いを評価する書類が必要です。
厚生年金の障害年金
- 障害厚生年金:会社員や公務員として厚生年金に加入している間に障害が発生した場合に支給されます。こちらも認知症が進行して労働に支障をきたす場合、対象となります。
2. 支給対象となる条件
障害年金が支給されるためには、いくつかの条件があります。
- 障害認定日:初めて医師の診療を受けた日(初診日)から1年6か月後に、障害等級が定められる日が障害認定日です。この日以降に障害が認められた場合に年金が支給されます。
- 保険料の納付要件:年金保険料を一定期間納めている必要があります。具体的には、初診日の前日において直近1年間の保険料が滞納なく納められていることが条件です。
- 障害等級:障害者年金は1級、2級、3級に分けられます。認知症の場合、症状の進行度に応じて等級が決まり、1級または2級に該当することが多いです。1級は日常生活に常に介助が必要なレベルで、2級は日常生活が著しく制限されるレベルです。
3. 手続きと必要な書類
認知症で障害年金を申請するには、以下の手順を踏みます。
- 初診日証明書:初めて医師の診療を受けた日を証明する書類が必要です。
- 診断書:認知症の診断書は、障害年金の申請時に必須であり、認知機能の状態や日常生活での支援の必要性などが記載されます。
- 病歴・就労状況等申立書:患者自身や家族が認知症による生活の困難さや働くことの難しさを記述します。
4. 支給額
障害基礎年金の場合、等級に応じて支給額が異なります。
- 1級:月額約97,000円(令和6年度)+子の加算
- 2級:月額約78,000円(令和6年度)+子の加算
障害厚生年金の場合、給与額や加入期間によって支給額が異なります。
5. 留意点
- 認知症は進行性の疾患であるため、症状が悪化した場合は再度診断書を提出し、等級を見直すことができます。
- 年金支給が始まった後も、定期的な診断書提出が求められる場合があり、状況によっては支給額が変更されることもあります。
認知症患者が障害者年金を受けることは可能ですが、症状の進行度や診断書の内容に大きく依存します。





